藤岡市の相続税|土地が安い町で申告が必要になる家と、藤岡税務署への申告【群馬・藤岡】

「藤岡の土地なんて、高崎よりずっと安いでしょう。相続税は関係ないと思っていました」

藤岡の方の見立ては、土地に関してはおおむね当たっています。藤岡の住宅地は、1㎡あたりの値段が高崎や前橋の半分ほどです。ただ、相続税がかかるかどうかは土地だけでは決まりません。藤岡で申告が必要になる家は、たいてい土地以外の財産で基礎控除を越えています。

私は高崎市江木町で相続税の申告を受けている公認会計士・税理士の長島祐太です。この記事では、藤岡市の土地の値段、申告が必要になる家の形、鬼石や三波川の山林と農地、そして藤岡税務署への申告について書きます。

藤岡の土地の値段

2026年の公示地価で、藤岡市の住宅地の平均は1㎡あたり2万4,488円、前年から0.80%の下落です。坪にすると約8万1,000円。高崎の住宅地が1㎡5万円台後半、前橋が5万円台前半ですから、その半分以下です。

市内の最高地点は、群馬藤岡駅周辺の藤岡の商業地で1㎡4万4,500円。最低は三波川の地点で5,400円です。群馬県全体では2026年に地価が34年ぶりにプラスへ転じましたが、藤岡は住宅地・商業地ともに下落が続いています。

長い目で見ると、下がり方はさらにはっきりします。藤岡市の公示地価の平均は1992年の1㎡9万3,255円が最高で、2026年の2万5,500円はその3.66分の1です。親の世代が「高い土地を持っている」と感じていたとしても、評価額はその頃とは別物になっています。

藤岡市は2006年に鬼石町と合併して、いまの市域になりました。群馬藤岡駅周辺の市街地から、神流川沿いの山あいまでを含むので、同じ市内でも土地の性格は大きく違います。

旧鬼石町の地区はさらに低く、公示地価の平均は1㎡1万3,550円、前年から2.83%の下落です。

60坪の家の土地は約400万円

路線価は公示地価のおおむね8割の水準です。住宅地の平均2万4,488円から逆算すると、路線価は2万円前後が目安になります。60坪、198.35㎡の自宅で計算します。

198.35㎡ × 2万円 = 約397万円

相続人が子2人なら、基礎控除は4,200万円です。自宅の土地は、その1割にもなりません。藤岡で「うちは土地があるから相続税が心配」という方がいても、自宅の土地だけで申告が必要になる家はまずありません。

中心部から離れた地区は、路線価図の範囲から外れ、固定資産税評価額に倍率を掛けて評価します。この場合も、課税明細書の「評価額」に倍率を掛けるだけなので、宅地であれば評価額は小さく収まります。

藤岡で申告が必要になる家の形

土地が安い藤岡で申告が必要になるのは、ほかの財産が積み上がった家です。よく見る形は次のとおりです。

・長く勤めた方の退職金と年金で、預金が数千万円になっている

・死亡保険金が、非課税枠を超えて出ている

・上場株式や投資信託を長く持っていた

・事業をしていて、会社の株や会社への貸付金がある

仮の数字で足します。自宅の土地397万円、建物200万円、預金3,500万円、死亡保険金のうち非課税枠を超えた部分が500万円。合計は約4,597万円で、基礎控除の4,200万円を越えます。土地は全体の1割にも満たないのに、申告が必要な家です。

この家では、小規模宅地等の特例の効き目も小さくなります。自宅の土地397万円が8割減っても、下がるのは約318万円。合計は約4,279万円で、まだ基礎控除を越えています。土地の高い高崎なら特例一つで税額がゼロになる家もありますが、藤岡では土地以外の財産の組み立てのほうが結論を左右します。

死亡保険金には「500万円×法定相続人の数」の非課税枠があります。子2人なら1,000万円まで。この枠を超えた分だけが財産に加わります。保険の受取額が大きい家は、この計算で結論が変わります。

藤岡では、この形の家が「土地が安いから関係ない」と思い込んで、税務署からの案内で初めて気づくことがあります。判断の材料は、土地ではなく通帳と保険証券です。

鬼石・三波川の山林と農地

藤岡市の南部、旧鬼石町や三波川の地区には、山林と農地を何筆も持つ家が多くあります。

山林は、固定資産税評価額に倍率を掛けて評価するのが基本です。山林の固定資産税評価額はもともと低いので、1筆ごとの評価額は小さく出ます。問題は筆数です。何十筆もある山林を、名寄帳で1筆ずつ拾っていく作業になります。課税明細書だけでは、免税点未満の山林が載っておらず漏れることがあります。

農地は、評価倍率表で純農地・中間農地・市街地周辺農地・市街地農地のどれに当たるかで評価の桁が変わります。旧鬼石町の地区は、市街化区域と市街化調整区域の線引きがない区域です。農地の区分は、倍率表に書かれた記載に従って判断します。

山林や農地は、評価額が小さくても財産目録からは外せません。1筆あたり数万円でも、数十筆あれば数百万円になり、基礎控除の前後にいる家では結論を変えることがあります。

藤岡税務署への申告

相続税の申告書は、亡くなった方の最後の住所地を管轄する税務署に出します。藤岡市と多野郡(上野村・神流町)に住んでいた方なら、藤岡税務署です。所在地は藤岡市藤岡668番地の1で、JR八高線の群馬藤岡駅から歩いて10分ほどです。

注意したいのは、旧新町と旧吉井町です。いまは高崎市なので、藤岡に近くても申告先は高崎税務署になります。亡くなった方の住所の市町村で決まり、地理的な近さでは決まりません。

藤岡税務署の管内に亡くなった方の住所があれば、財産が高崎や東京にあっても申告先は藤岡税務署です。

申告書を郵送する場合は、税務署ではなく関東信越国税局の前橋業務センターに送るよう案内されています。窓口に持参するか、e-Taxで電子申告することもできます。期限は、相続の開始を知った日の翌日から10か月です。

土地が安い町ほど見落としやすいもの

土地の評価が小さい町では、税務署が見るのも土地以外になります。中心は預金です。亡くなる前の数年間に大きな出金がないか、子や孫の名義で親が積んでいた預金がないか。名義が子でも、実際に親が管理していた預金は相続財産です。

もう一つは、使わなくなった実家です。子が藤岡を離れて住んでいる家では、相続した実家をどうするかが課題になります。空き家を売るなら、一定の要件で譲渡所得から最大3,000万円を差し引ける特例があります。売る時期と特例の期限を合わせて考えてください。

土地が安い町の相続は、評価の難しさより、財産の拾い漏れのほうが問題になります。証券会社の口座、使っていない金融機関の口座、生前に子へ渡したお金。ひとつひとつは小さくても、足せば基礎控除の線をまたぎます。まず財産をすべて並べる。藤岡の相続は、そこから始めてください。

申告が要るかどうかの目安は相続税はいくらからかかるかの記事、自分で申告まで進められるかは自分で相続税申告ができるかの記事、依頼先の選び方は相続税に強い税理士の見分け方の記事に書いています。

藤岡の相続は、通帳と保険証券から先に見ます

通帳、保険証券、固定資産税の課税明細書があれば、申告が必要かどうかの当たりをその場で付けます。山林や農地が何筆もある家は、名寄帳もお持ちください。藤岡税務署への申告に対応しています。公認会計士・税理士 長島祐太が担当します。

たかさき相続税・贈与税相談プラザ(ミノラス会計事務所内)

群馬県高崎市江木町610-10 ミノラスビル2階

TEL 027-335-9606(平日9:00〜17:30)

相続税の簡易診断を申し込む

よくある質問を見る